どうも、SUMAです。
今回紹介するのは、手代木正太郎先生の作品『魔法医師の診療記録』です。とうとう最終巻となってしまったこの作品ですが、思い返せば、ニリツさんのイラストに惹かれて表紙買いするという出会いでした。
読み始めた時には、複雑な用語であったり、異世界での医療という馴染みにくい題材で戸惑いもあったのですが(異世界なから回復は魔法で一発じゃないのって…)読み始めるとその重厚なストーリーに圧倒され、どんどん引き込まれていきました。
・魔法医師の旅、とうとう終結へ…
さて、全7巻で完結となってしまった本シリーズですが、この7巻では懐かしのキャラクターも登場したり、今までの伏線を回収したりと大忙しの巻になりました。
それでも、軸のぶれない作品として、僕の見たかったクリミアとヴィクターのお話になっていました。作品を通していつのまにか彼らのことをすっごく好きになっていたんだなぁと思います。
・あらすじ、ストーリー内容
6巻最後に、エルフの村でヴィクターは末期症状となり悪魔の姿となりました。本作ではその後の場面から話が始まります。
肉体が悪魔となり戻れなくなってしまったヴィクターのために、クリミアは最後のガマエ研究者であるジゼラの元を訪ねようと考えます。
徐々に正気をなくしていくヴィクター。そんななか、ひょんな経緯から意外なあの人の導きによってジゼラのいる聖庁を訪ねることができる希望が見えてきます。しかし、道中ペスト医師や鉄槌などが絡み行く手が阻まれて行きます。
ヴィクターの病はどうすれば直すことができるのか…ガマエ、ドゥン、ルンの複雑に絡み合った関係とは…謎の男ヘルメスの正体とは…ラ・ピュセルとの因縁の対決はいかに…
様々な謎がやっと明かされます。そして衝撃のラストへ…
・魅力・見所(ネタバレ注意)
#初期より出ているブロー大活躍の7巻
このシリーズを読み続けている人ならばブローさんの最近の葛藤については知っていると思います。
シリーズ通してブローの成長記録だったのではないかと疑いたくなるくらい7巻では大活躍をしてくれましたね。
シャトゥイエとの会話シーンは全てが印象深く、ブローの考えていることがとてもわかるような気がしました。自分が正義だと信じていたものが、本当は違っているのではないかという不安にかられることは誰にでもあることなんじゃないかと思います。それに打ち勝って自分の信じる道を突き進んだブローはとても素晴らしいと思います。
また、最後のシーンで自分の完成できなかった技を弟子のギヨテーヌに継がせるというのは本当に暑い展開でした!!信じて未来を託して行く姿って本当にかっこいいですよね。今後のギヨテーヌの成長がすっごく期待できます!
#伝説の看護師再び
とうとうフレデリークが再登場しました。ピンチに師匠が駆けつけてくれる展開は激アツですね!!
そして鉄槌をなぎ払って行く姿はわずか4ページほど(うち一枚は挿絵)なのですがとんでもなく印象強いです笑
今回追加された伝説は『背負う赤子を安眠させたまま、鉄槌十数人を倒してのけた』です。
っていうかフレデリークよりも背中で安眠しているトロトゥーラの方に問題があるような…どちらもさすがとしか言いようがないんですけど、最後の最後でちゃんと登場して大活躍してくれて嬉しかったです!!
#黙示録の時の結末は…
この小説の主題でもあるヴィクターの病気がどうなったか…この結論に僕は最初ちょっと面食らいました笑
多分読んでいる皆さんそうだと思うんですけど、「まさかさいごがそれかよ…」って思ったんじゃないですか??
展開としては大満足ですけどね。なんとかラストシーンまでたどり着けて良かったと思います。
っていうか、最初からことの本質を言い当ててたクロードやばくない…?笑
どことなく、ポンコツで頼りなさもあるクロードですが、後半で登場した割にはいいところをかっさらっていきましたね。この小説で一番の出世だったと思います!!
・まとめ
最終巻までたどり着いた『魔法医師の診療記録』ですが、個人的にはもっといろんな人に読んで欲しいと思っています。
設定がかなり複雑だったり、用語の数も多いのでとっつきやすいとは言えないのですが、1巻を1/3くらい読み進めるころにはもう引き返せないくらい作品の魅力にどハマりしているんじゃないかと思います!!(実際僕がそうでした)
ちょっと雰囲気の違ったファンタジー作品を読みたい方、設定が凝っている作品が好きな方にはとってもおススメです!!
以上、SUMAでした!!