どうも、SUMAです。
本日紹介したい漫画は、ジャンルでいうと「百合」になります。個人的にもともと女性ジャンルとしてあった「百合」が一気に男性ジャンルとして覚醒したのはなもり先生の『ゆるゆり』による功績が大きいんじゃないかと思っています。可愛い絵柄の女の子が単にキャッキャしている漫画ってかなり増えましたものね!
でも、昔ながらっていうか、「女の子同士の普通の心の葛藤を描いた百合作品」も僕は大好きで、本日紹介するのはそんな作品です!
・珠玉の百合短編が3篇!
今回紹介する本は、宮田ワルツ先生の『女の子のいちばんやわらかいところ。』です。私は今回の作品を読むまで宮田先生のことは知らなかったんですけど、書店で表紙をみてなんとなく手にとってみました。
出版社は一迅社で、レーベルは百合姫。
百合漫画の殿堂とも言える棚の準新刊コーナーにひっそりと置いてありました。
この本は、3篇の漫画が収録されていて、表題となっている「女の子のいちばんやわらかいところ。」と「バラといちご」、「キス魔イリップス」で構成されています。
どの作品も人と人の繋がりを意識しているのか、心情の変化をキーにして描かれています。
・あらすじ、ストーリー内容
「女の子のいちばんやわらかいところ。」
不器用で素直な女の子ののが不破先輩に唐突に告白するシーンから物語は始まります。
告白してしまったことを後悔しているようにみえるのの、その様子を察して先輩として受け流す不破先輩。
ふたりの関係について、「告白」、遡り「出会い」、「その後」とページ数は少ないのですが、不思議とゆっくり時間が流れていくように進んでいきます。
「バラといちご」
芸能人である一ノ瀬苺が転校してきた。でも、そんなことは自分には関係ないと考えていた神原いばら。ふたりが最初に接触したのは、学校の屋上だった。いばらが目撃したのは苺がタバコを吸っている姿だった。苺はキラキラした外見であっても中身はドロドロであると気づくいばら。そして二人は初めて自分と同じ存在に出会ったと思います。
「キス魔イリップス」
仙道ありす、クラスでは明るく人気者だけど私、詩(うた)にとってはただの迷惑なキス魔だ…。キスさせてと迫ってくるありすの気持ちがわからない、そのモヤモヤを描いた作品
・女の子のいちばんやわらかいところ。の魅力
#移動する視点
漫画の表現として、主人公以外の視点で描くということはよくあります。この作品でも当然視点が移動して、キャラクターの感情が描かれるシーンがあるのですが、その心情がとても良いです!!
良いだなんて抽象的な表現になってしまったので、ちょっと詳しく話していくと
歪んだ感情と恋愛感情がごっちゃ混ぜになって一つのこいごころを形取っているのがとても素敵なんです。
その良さが3篇通して、描かれ続けるので読んでいてあきることがありません。前半と後半で移動する視点から話を見ることで、女の子の可愛さが一層発見できるとおもいます
#同人誌から商業本になった
作者である宮田ワルツ先生のあとがきによると、この作品はもともと同人誌であったとのことです。6年後にまとめられて発売されることになったことに際し、少しだけ過去を振り返りたくなったと描かれています。
僕は、当時から知っているわけではないですし、他の作品も読んだことがないですけど、漫画のことが好きなんだなって伝わってくるようなあとがきでした。ぜひ、何かしらの機会があって再び、先生の作品に触れることがあったらその漫画愛をしっかりと受け止められるように読んでいきたいなって思ってます。
・まとめ
この漫画をおすすめするならやっぱり昔ながらの感情あるれる百合作品が好きな人ですね!人の感情がむき出しになる感覚が好きな人ならば絶対にハマると思います!
他には、最近主流の可愛い女の子がキャッキャしている百合作品しか知らない人にも入門として読んで欲しいです。「こんな形の百合作品もあるんだよ」って教えてあげたい笑
以上、SUMAでした。