どうも、SUMAです。
『いなくなれ、群青』より始まった階段島シリーズですが、主人公の七草や他のキャラクターの意見にはハッとさせられるものがあります。
今回の『夜空の呪いに色はない』ではキャラクターそれぞれの立場や過去、考えがとても深いところまで描かれていて、多くのセリフが僕の心を抉ってきました…
・あらすじ、ストーリー内容
今回の話は、多くの人の視点で描かれていきます。階段島にいる七草を始め、現実の七草、階段島の真辺、郵便配達人の時任。その上、話は現実と階段島を行き来しながら展開し、大地を取り巻く問題を解決すべく多くの人が奔走しています。
そんな中、切り離された現実と階段島の七草はそれぞれの主張をぶつけ合い、結果として階段島の七草は現実の七草に拾われることとなりました。同時に、階段島の堀は魔女の力を失います…
今回の七草は今まで以上に、悩みの渦中にいると感じました。自分がどうあればいいのかをもがき、堀と真辺どちらの立場に自分はいるべきなのかを考え、そして結論を出します…
今後の展開では、大地を取り巻く問題を七草たちが解決できるのかということが完結までのキーになってくると思いますが、徐々にその問題の全体像も把握できてきましたね。
・魅力・見所(ネタバレ注意)
#七草と真辺
階段島での生活と現実での生活を通して、別の考えを持つようになった自分と対話する機会が今回はとても多かった七草ですが、その内容の多くは真辺に対することでした。
階段島にいる真辺と現実にいる真辺。憧れた真辺は自分の意見を貫き、正義のために無理をしてでも奔走する階段島にいる真辺です。しかし、現実の真辺は自分ができることを知り、その中でどのようにしていくかを考える消極的な部分が見えるようになっています。
この葛藤は本当に、見応えがあると思いました。自分が持っている理想について考えるきっかけになると思います。
#トクメ先生の大人の意地とは…
大地の問題を解決するにあたって、トクメ先生の協力を得ることにしたのですが、その中でトクメ先生が大人の意地について語るシーンがとても印象に残りました。
普段、仮面をつけて授業をしているトクメ先生が本音で大人について語る中で、「夜を超える」という表現が出てきます。夜に自分と向き合って、誠実に超えていことでまともな大人になれるというのですが、このシーンはある意味この作品の要なんじゃないかと考えられます。
大地の親子関係にしろ、時任などの過去にしろ、この作品では大人になりたい人や後悔を背負って大人になった人が出てきます。
必死にもがきあがき苦しむ姿を自分と重ねてしまうところにこの作品が人を魅了する力があるのだと思います。
・その他情報
とうとう5作目が発売された階段島シリーズですが、来年には完結編が発売してしまうようです。
※帯裏面より
コミカライズも発売するようなので要チェックですね!
個人的には、それぞれのキャラクターの悩み葛藤にあると考えているので、小説で読んでいただいた方が、より深く没頭できるのではないかと思っています。
でも、ストーリーもかなり入り組んでいて面白いので、小説を読むほどの時間はないけど気になっているんだって方はぜひコミックの方で読んでみてください!
・まとめ
毎回、本当にいろいろと考えさせられる作品です。さすがに僕ももう大人と言わなくてはいけない年齢になってきたので、読むたび「ちゃんとしないとな」って背筋をピンと伸ばしたくなります…
読むことで自分の今の生き方や今後の生き方も考えたくなる素晴らしい作品だと思います!未来に対して漠然と不安がある方や、無為な人生を生きているんじゃないかと考えてしまう人がこの作品を読めばきっとハマると思います!
以上、SUMAでした!!